「PrepTutor英和・和英辞書」は「PepTutorEJDIC」に準拠しています。そして「PrepTutorEJDIC」は「ejdic」というパブリックドメインとして流通しているファイルを改訂したものです。
「ejdic」の歴史は古く、1991年にはカーネギーメロン大学の言語学FTPサーバーにすでに存在していたとされています。
京都ノートルダム女子大学のグレッグ・ピーターソン教授からは、調査したにもかかわらず、「ejdic」の出自、作者は不明のままである、とのご報告をいただきました。尚、京都ノートルダム女子大学のPOETSプロジェクトが「ejdic」の出典であるかのように記述しているウェブページがあるものの、実はそうではないのでそのような紹介文のあるウェブページからはその削除を求めたい、との要請が同教授からありました。
モナシュ大学のジム・ブリーン教授からは、同氏が「ejdic」の存在を知るようになったのは1990年代前半であった、との情報が寄せられています。当時「ejdic」は日本の或る企業で使用されており、ファイルそのものの出所はカーネギーメロン大学経由もしくは同大学からと推察された、とのことです。
私自身は、Makigura氏の「XBabylon Translator」というウェブページ(http://www.geocities.jp/nikotuk/xbabylon.html)から「ejdic」をダウンロードさせていただきました。
この中の「README」ファイルには松下電工(株) の半導体研究所システム管理責任者であるW. Phillip Moore氏が「ejdic」を「Carnegie-Mellon 大学の友達からもらった」旨が記載されています。ジム・ブリーン教授によると、この「READ ME」の書かれたのが1991年、とのことでした。
尚、ジム・ブリーン教授から寄せられた「ejdic」の起源に関する最新情報によると、これは既存の辞書を書き写したものが外部に流出してしまったものらしい、とのことです。
ながらくパブリックドメインのファイルとして流通してきた「ejdic」は手を加えれば素晴らしい辞書となる可能性を秘めています。惜しむらくは、オリジナルのファイルは猛烈に誤字が多く、実用的ではありません。
「PrepTutorEJDIC」は、「ejdic」に含まれる数多くの誤字を訂正し、新語を加えることによって「ejdic」を改訂し、より使いやすい辞書に育て上げようという試みです。
その起源に怪しげなところのあることが残念ではありますが、「ejdic」を核として、これを進化させることが有意義であるとの思いから、今回は見切り発車を断行の判断に至りました。
最後になりましたが、詠み人知らずになっております「ejdic」の作者に心から感謝の意を表明したいと思います。もしも「私がejdicの作者だ」という方がいらっしゃれば、是非ご連絡ください。
根岸英語塾:根岸治郎
version1.0 (2003年8月)
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