夫婦別姓
夫婦別姓の是非が論議されています。しかし、そもそも、この「姓」ですが、それほどまでに大切なものなのでしょうか?

肩肘張って、やれ「何々家」とか言い張るほどに大層な代物なんだろうか?

まるで夫婦が別姓を名乗ると田舎大名のお家騒動に発展するかのようなはしゃぎようで、目出度い珍現象です。

そもそも、どこの家でも100年さかのぼって先祖全員が追跡可能ということはまずありません。どのような「名家」であろうとも何代か遡れば、ただの馬の骨です。

いわゆる「おいしいトコロ」だけを取って、やれ「ウチの先祖の誰それは偉かった」とか、「ウチは藤原氏の流れで」とか、「代々サムライの家柄で」とか言うわけです。

「6代前には馬泥棒だった」とか、「8代前には吉原で女郎をしていた」とかは、さっぱり聞きません。

実際には今現在の人一人を作り出すためには何千・何万・何十万という人達がかかわってきた訳で、やれ、家柄だ血筋だなどという戯けた寝言の付け入る余地などはありません。

大体、日本で一番血筋の良い名家である天皇家に至っては苗字がないんですから、我々シモジモが「ああだ、こうだ、何々家だ」と真剣に大騒ぎするほどの問題ではないように思えます。

目隠しして「エイヤッ」って三文判を掴んで、それを明日から自分の「姓」にしたところで全く誰にも迷惑を掛ける心配はないでしょう。

ついでに言うと、歌舞伎や能などの伝統芸を生業とする一族などが、やれ「梨園のしきたりだ、能楽師の家柄ではウンヌン」などと、まるで宮様の一家であるかのようなご大層な持ち上げられ方をすることが多いようですが、くだらないことです。芸事なんか、上手い奴がやればいいんです。家筋、血筋なんて関係ない、ってえの。

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