文法は規則ではありません:2006年1月16日
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「英文法には例外が多すぎる」という感想を耳にすることがあります。これ、とんでもない思い違いです。 文法は規則ではありません。 言語には「規則性」があり、それを体系化したものがいわゆる「文法」です。 「文法」という呼称には「法」という字が使われているので、うっかりと「法律」のようなものを連想してしまって、やれ「正しい」とか「正しくない」、すなわち「違反している」「遵守している」のようなとらえ方をしてしまいがちです。 「文法」でいう「法」とは、「法則性」の「法」なのです。「法律」の「法」ではありません。言語には「法則性」、言い換えれば「規則性」がある、ということです。 言語の規則性とは「言葉と言葉はこんな具合につながっていることが多い」というパターンを指します。 最初に「規則」があって、それに英語なり日本語なりが準じているかどうかを文法で測るという発想自体が間違っているのです。順序が逆なんです。 生きている言語である英語がまずあって、それの語法における規則的なパターンを体系づけてまとめた法則が「英文法」です。 学校の英語授業では、便宜上、文法を「ルール=規則」のような感覚で分かりやすく説明する傾向があるので、ついつい「英文法には例外が多い」といったトンチンカンな話になりがちです。 |